マルチーズは、古代の地中海地域で発祥した小型犬種で、主に王侯貴族や上流階級の人々に愛され、飼われてきました。その歴史は古く、紀元前5000年前後には既に存在していたとされています。
マルチーズの起源については諸説ありますが、一説には古代エジプトで飼われていたマルチーズの先祖が、地中海を渡ってマルタ島に伝わったという説があります。また、別の説では古代ギリシャの高貴な女性たちが飼っていた犬種が、マルチーズの先祖として伝わったとも言われています。
中世に入ると、マルチーズはヨーロッパの貴族たちに愛され、ミラノ公爵やフランス王ルイ16世、そしてイギリス女王ヴィクトリアなど多くの王侯貴族たちに飼われていました。特にルネサンス期には、フランスの王室に愛され、フランスの画家フランソワ・ブーシェによって多くの絵画に描かれています。
19世紀になると、マルチーズはイギリスで犬展に出品されるようになり、犬種の標準が作られました。そして、20世紀初頭にはアメリカ合衆国にも渡り、現在では世界中で人気のある犬種となっています。
マルチーズは、小型犬でありながら活発で健康的な性格を持ち、美しい被毛と愛らしい顔立ちから、多くの人々に愛されています。現在でも、王侯貴族の間では高い人気を誇り、一部の富裕層のペットとしても飼われています。