パピヨンは健康な犬種であることが多いですが、遺伝的な要因や生活習慣などによって様々な病気にかかることがあります。以下では、パピヨンがかかりやすい病気について詳しく解説します。
- ポータルシステムシャント
ポータルシステムシャントは、肝臓から心臓につながる静脈が正常に発達しないため、肝臓からの毒素が正常に処理されず、体内に蓄積する病気です。パピヨンはこの病気にかかりやすく、生後数か月から1歳までに発症することがあります。症状には嘔吐、下痢、食欲不振、意識障害などがあります。治療には手術が必要であり、早期発見が重要です。
- 逆咽
逆咽は、胃内容物が食道に逆流することで起こる病気です。パピヨンは小型犬種であるため、喉の形態が特殊で、逆咽にかかりやすい傾向があります。症状には咳、嘔吐、吐き戻し、食欲不振などがあります。治療には、薬物療法や手術があります。
- 白内障
白内障は、目の水晶体が濁ってしまう病気です。パピヨンは高齢になると発症することが多く、進行すると視力を失うことがあります。治療には手術がありますが、早期発見が重要です。
- ヒト型インフルエンザウイルス感染症
ヒト型インフルエンザウイルス感染症は、人から犬に感染することがある病気です。パピヨンは感染しやすい犬種の一つであり、症状には発熱、咳、鼻汁、食欲不振などがあります。治療には、抗生物質や対症療法があります。
- ペティコート・デジェネレーション
ペティコート・デジェネレーションは、背骨の脊髄神経が萎縮することで、後ろ足の麻痺や歩行困難を引き起こす病気です。パピヨンは遺伝的要因が関係していることが知られており、5歳以上の高齢犬で発症することが多いです。症状には歩行困難、後ろ足の麻痺、排泄障害などがあります。治療には、薬物療法やリハビリテーションがありますが、完全な治癒は困難であることが多いです。
- 網膜色素変性症
網膜色素変性症は、網膜細胞が徐々に退化していく病気で、視力低下や失明を引き起こすことがあります。パピヨンは遺伝的要因が関係していることが知られており、若い犬から発症することがあります。症状には視力低下、夜盲症、視野狭窄などがあります。治療には、薬物療法や手術がありますが、完全な治癒は困難であることが多いです。
以上が、パピヨンがかかりやすい病気の代表的なものです。パピヨンを飼育する場合は、遺伝的な要因に注意するとともに、健康な生活習慣を維持し、早期発見・治療に努めることが重要です。定期的な健康診断や、必要に応じた予防接種なども行いましょう。また、パピヨンが病気にかかりにくいよう、バランスの良い食事や適度な運動、ストレスのない生活環境を整えることも大切です。
