ポメラニアンは、元々はポメラニア地方(現在のドイツ・ポーランド)で飼育されていた小型犬種です。その起源は古代にまで遡りますが、ポメラニアンとしての現在の形態になったのは19世紀後半から20世紀初頭のことです。
ポメラニアンは、元々はシャムシキと呼ばれる大型犬種と同じ先祖を持ちます。中世には、シャムシキは牧羊犬として使われ、広大なポメラニア地方の草原や畑で羊の番をしていました。その後、19世紀に入り、シャムシキは大型化し、ポメラニアンという名前で小型犬種として別々に育種されるようになりました。
19世紀後半、ポメラニアンは英国王室に紹介され、大いに人気を博しました。特にヴィクトリア女王は、犬好きとして知られ、愛犬としてポメラニアンを飼育しました。そのため、ポメラニアンは王室御用達の犬種となり、イギリスの上流階級を中心に広く愛されるようになりました。
20世紀に入ると、ポメラニアンはアメリカにも紹介され、人気が高まりました。第二次世界大戦中には、ポメラニアンの飼育が困難になったため、一時的に人気が落ち込みましたが、戦後に復活し、現在でも世界的に人気の高い犬種となっています。
ポメラニアンは、王室御用達の犬種であったことから、飼育費用が高かったことが伺えます。しかし、現在では幅広い飼い主層に人気があり、ペットショップやブリーダーから手軽に購入することができます。また、シェルターやレスキュー団体からも、保護されたポメラニアンが里親募集されることがあります。